蔵干とは?地支の中に隠れた天干を知る
結論:蔵干は地支の内側に含まれる一つから三つの天干です
蔵干(ぞうかん)は、子・丑・寅などの地支が内部に持つ天干です。命式の表面には四つの天干が見えますが、地支の中にも五行の成分があります。蔵干を確認することで、表からは見えにくい五行と通変星の関係を読み取れます。
命式の上段と下段の違いがまだ曖昧な場合は、先に命式表の基本的な読み方を確認すると、天干・地支・蔵干の位置関係をつかみやすくなります。
なぜ地支の中に天干がある?
天干は甲から癸までの十種類で、命式の上段に現れます。地支は子から亥までの十二種類で、季節や時間を表しながら、内部に複数の五行を含む場合があります。その内側の成分を天干として示したものが蔵干です。
たとえば寅の主な五行は木ですが、蔵干には戊・丙・甲があり、土・火・木を含みます。表面だけなら寅を木一種類として見ますが、蔵干を見ると季節が移る過程や内側の複合性がわかります。
命式ラボでは、蔵干通変星も命式を読む大切な補助情報として扱います。ただし蔵干一つだけで人物像を決めず、日主の強さや命式全体の喜忌とあわせます。
余気・中気・本気とは?
三つの蔵干を持つ地支では、余気(よき)、中気(ちゅうき)、本気(ほんき)の順に表します。初蔵・中蔵・本蔵と呼ぶ場合もあります。
余気は、前の季節から残る働きです。中気は、次の主な気へ移る途中の働きです。本気は、その地支を代表する中心的な働きです。節入りから何日経過したかによって、どの蔵干を月令として使うかを分ける方式もあります。
ただし「余気は弱く、本気だけが重要」と一律にはいえません。用途によって、三つすべてを蔵干として表示する場合と、その時期に働く一つを選ぶ場合があります。
十二支の蔵干一覧
命式ラボが採用する十二支ごとの蔵干と、節入りからの切り替え日は次の通りです。「—」はその段階の蔵干を持たないことを示します。日数は節入りの瞬間を起点に数えます。
| 地支 | 余気 | 中気 | 本気 | 節入り後の配分 | | --- | --- | --- | --- | --- | | 子 | — | — | 癸 | 0日目から癸 | | 丑 | 癸 | 辛 | 己 | 0〜8日目は癸、9〜11日目は辛、12日目以降は己 | | 寅 | 戊 | 丙 | 甲 | 0〜6日目は戊、7〜13日目は丙、14日目以降は甲 | | 卯 | — | — | 乙 | 0日目から乙 | | 辰 | 乙 | 癸 | 戊 | 0〜8日目は乙、9〜11日目は癸、12日目以降は戊 | | 巳 | 戊 | 庚 | 丙 | 0〜6日目は戊、7〜13日目は庚、14日目以降は丙 | | 午 | 己 | — | 丁 | 0〜5日目は己、6日目以降は丁 | | 未 | 丁 | 乙 | 己 | 0〜8日目は丁、9〜11日目は乙、12日目以降は己 | | 申 | 戊 | 壬 | 庚 | 0〜8日目は戊、9〜11日目は壬、12日目以降は庚 | | 酉 | — | — | 辛 | 0日目から辛 | | 戌 | 辛 | 丁 | 戊 | 0〜8日目は辛、9〜11日目は丁、12日目以降は戊 | | 亥 | 甲 | — | 壬 | 0〜7日目は甲、8日目以降は壬 |
順番は余気から本気です。子・卯・酉は一つだけを持ち、午と亥は二つ、その他の多くは三つを持ちます。たとえば寅は、冬から残る土の戊、火の丙を経て、春の中心となる木の甲へ移ります。地支を固定された一色としてではなく、季節が次第に主役を変える区間として捉えるための表です。
この配分は、年支・月支・日支・時支のすべてに同じ方式を使います。ただし月柱では、次に説明する月令の判定も別に行います。表の蔵干を全部足せばそのまま五行点数になる、という単純な扱いではありません。
余気・中気・本気の日数をどう読む?
節入り直後は前の季節の働きが残り、日が進むにつれて次の気へ移り、最後にその地支を代表する本気が中心になると考えます。たとえば丑では、節入りから8日目までは癸、9日目から11日目は辛、12日目以降は己へ切り替わります。同じ丑月生まれでも、節入り直後と後半では月の主導的な干が異なる可能性があります。
ここで使う「何日目」は、毎月1日から数える日付ではありません。太陽の運行にもとづく節入り時刻からの経過です。節入りの日に生まれた場合は、出生時刻が境界の前か後かも関わります。そのため、蔵干や月令を正確に求めるには生年月日だけでなく、節入りの正確な時刻が必要です。
また、配分の長さは蔵干の価値を順位付けするものではありません。余気だから意味が薄い、本気だから必ず強い、と決めず、季節、命式内の位置、天干への透干、通根、他の五行との関係を重ねます。
蔵干通変星はどう決まる?
蔵干通変星は、日干と各蔵干の五行・陰陽関係から算出します。計算方法は天干通変星と同じです。
日干と同じ五行なら比肩または劫財、日干が生じる五行なら食神または傷官、日干が剋する五行なら偏財または正財になります。日干を剋する五行は偏官または正官、日干を生じる五行は偏印または印綬です。陰陽が同じか異なるかによって二種類に分かれます。
たとえば日干が甲で、地支の蔵干に丙があれば、木が火を生じ、陰陽が同じなので食神です。辛があれば金が木を剋し、陰陽が異なるので正官となります。
蔵干通変星も単体に吉凶を付けません。財星があるから必ず金運が良い、官星があるから必ず出世するという判断ではなく、その五行が喜神か忌神かを確認します。
通変星10種類の生剋関係と陰陽による分かれ方は、通変星の基本で一覧にしています。自分を表す日干が基準になるため、同じ蔵干でも日干が変われば通変星の名前は変わります。まず日干とは何かを確認し、その日干から蔵干を見てください。
蔵干通変星と天干通変星の違い
計算式は同じでも、命式の中で見える位置が違います。天干の通変星は、命式の上段に現れた干から求めるため、考え方や行動として外へ表れやすい関係を整理する材料になります。蔵干通変星は地支の内部から求め、表面には見えにくい動機、環境の土台、時間をかけて働く力を読む材料になります。
たとえば天干に財星がなくても、地支の蔵干に財星が複数あれば、現実的な管理や資源を扱う働きが内側に存在します。ただし「隠れた財星があるから金運がよい」とは断定できません。その財の五行が日主にとって支えになるか負担になるか、季節の力を得ているか、天干へ透干して使いやすい形かを確認します。
天干に同じ通変星が出ている場合は、内側の働きが外にも通じる手がかりになります。天干に出ていない場合も、経験や環境によって後から表れやすくなることがあります。蔵干は性質を新しく足すものではなく、命式にすでに含まれる層を細かく見る情報です。
表面にない五行が蔵干にあると何がわかる?
命式の天干に現れていない五行でも、地支の蔵干に含まれていることがあります。これは、その五行が命式にまったく存在しないことと、内側にはあるが表面へ出ていないことを区別する手がかりになります。
たとえば天干に火がなくても、寅の蔵干には丙、未や戌には丁が含まれます。ただし、蔵干に一文字あるだけで火が十分に強いとは判断しません。季節、地支の位置、天干に同じ五行が現れているか、根として有効かなどを重ねて評価します。蔵干は「隠れた才能」を一語で決める印ではなく、五行配置を精密にする情報です。
蔵干と月令は同じもの?
蔵干と月令(げつれい)は関係しますが、用途は同じではありません。命式ラボでは、それぞれの役割を区別して扱います。
全四柱の蔵干と蔵干通変星は、地支に含まれる要素を確認するために使います。一方、月令は、生まれた季節の力を判断するために確認します。
たとえば丑の蔵干は癸・辛・己で共通しますが、月令判定では節入りからの日数に応じて癸、辛、己のどれを使うかが変わります。子のように、全蔵干では癸のみでも、月令表の初期に壬を使う差がある地支もあります。これは矛盾ではなく、全成分を示す用途と、季節の主導権を決める用途の違いです。
命式ラボでは、蔵干取得には全四柱共通の台湾配分表を使い、月令判定には点数法用の節気蔵干表を使います。月令と同じ五行の天干は、季節の力を得る「当令」として五行強弱の計算で重く評価します。蔵干一覧は命式に含まれる成分を知るため、月令はその月の主導的な力を決めるため、と役割を分けています。
蔵干に流派差があるのはなぜ?
地支の中にどの干を配するか、節入り後の何日目で切り替えるか、全四柱へ同じ考え方を使うかなどには複数の見方があります。
命式ラボでは、蔵干の取得に中島本の台湾配分、月令の判定に正伝の節気蔵干表を採用しています。全四柱の蔵干と、身強・身弱を計算する月令を目的別に分ける方式です。実装では配分表を一か所に固定し、同じ入力に対して常に同じ結果が出るようにしています。
別の流派では、午の蔵干の並び、土用の扱い、節入り後の切り替え日数、月支以外にも経過日数を適用するかなどが異なる場合があります。そのため、異なるサイトの結果を比べるときは、一文字の違いだけで誤りと判断せず、採用している配分方式と用途を確認してください。方式を混ぜると格局や用神の計算まで一貫しなくなるため、命式の途中だけ別表へ置き換えないことが大切です。
蔵干が分かると命式の読みはどう深まる?
第一に、表面にない五行が本当に存在しないのか、地支の内側にはあるのかを区別できます。五行が蔵干にあれば通根の手がかりになり、日主や天干がどこに支えを持つかを考えやすくなります。
第二に、同じ地支でも内部が一つの干だけなのか、複数の干が季節の移行を含んでいるのかが分かります。卯や酉のように本気だけを持つ支と、丑や寅のように三段階を持つ支では、内側の五行構成が異なります。
第三に、通変星を表面と内側の二層で見られます。普段は見えにくい動機が、どのような環境や役割で表へ出やすいかを考える材料になります。本人の実感と天干だけの説明が合わないとき、蔵干を見ることで説明の手がかりが増える場合があります。
それでも、蔵干一つから才能や運勢を断定することはできません。月令、五行の強弱、格局、用神、大運・年運まで重ねて初めて、命式全体の中での役割が見えてきます。気になる星を見つけたら、良い・悪いと急がず、「どの場面ならこの力を無理なく使えるか」を考えてみてください。
蔵干は、命式の表面にない五行を発見する大切な手がかりです。命式ラボでは四柱の地支から蔵干と蔵干通変星を算出します。まず天干と地支を確認し、その次に内側の蔵干へ進むと、命式を段階的に理解しやすくなります。
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日干タイプ別に読む
生まれた日の十干(日干)ごとに、性格・恋愛・仕事・相性をまとめた解説ページがあります。
よくある質問
蔵干とは何ですか?
蔵干(ぞうかん)とは、十二支の内部に含まれる天干です。地支ごとに一つから三つあり、余気・中気・本気の順で表します。
蔵干は一つですか?
地支によって異なります。卯や酉のように一つだけの支もあれば、寅や丑のように三つ含む支もあります。
蔵干通変星とは何ですか?
各蔵干と日干との五行・陰陽関係から求める通変星です。地支の内側で働く関係を読む補助情報になります。
サイトによって蔵干が違うのはなぜですか?
蔵干の配分や切り替え日数には流派差があるためです。命式ラボでは、定めた計算ルールに基づいて一貫して算出します。